月経について

昨日来院された方から質問を受けたので、久しぶりにちゃんとしたブログを書く事にします。なお、こういった内容は準備中である院長の著作にも掲載予定ですので、お楽しみに。


月経について
女性の身体は、妊娠する準備のために周期的に変化します。
エストロゲン(卵胞ホルモン)等の作用により、 卵巣では卵胞が発育・成熟し、排卵がおきます。 子宮内膜は、妊娠に備え、受精卵が着床しやすいように厚く変化します。妊娠に至らない場合には、子宮内膜の準備は不要になり、体外に排出します(月経)。
排卵後に分泌量が急増するプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で排卵から次の月経までは、 基礎体温は高温期となります。妊娠反応が起こらないとプロゲステロンが分泌されなくなり、子宮内膜が崩れ落ちます。それが月経です。

もう少し、詳しく書きます。

月経周期の体の変化には主としてホルモンの作用によって起こり、卵巣や子宮内膜に変化が生じます。

間脳の視床下部より「ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)」が脳下垂体に作用して、性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)を放出させます。

ゴナドトロピンには2種類のホルモン、卵胞刺激ホルモン(FSH)黄体化ホルモン(LH)があり、FSHは「卵胞」を発育させ、LHは成熟した卵胞に作用して排卵を起こさせます。ゴナドトロピンは卵巣に作用し、卵巣ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され、子宮に作用し、排卵が起こります。排卵が起こるためには、適切な頻度と振幅のLHのパルス状分泌と成熟した卵胞からのエストロゲンの分泌増加によって視床下部からのGnRHが分泌され、それによって起こるLHの急激な増加LHサージが必要であると考えられています。
排卵後、LHの刺激によって黄体ができ、この黄体から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。妊娠が成立しない場合には、一定の日数で黄体が萎縮し、黄体から分泌されていたプロゲステロンが減少して子宮内膜に変化が起きます(月経)。

つまり、身体をリセットしてるわけです。

月経とは「周期的に繰り返され、かつ限られた日数で自然に終わる子宮からの出血」と定義できます。
では、なぜ月経が起こるのでしょう。
子宮の内側の内膜と呼ばれる部分が周期的に変化し、その結果として月経が起こります。
なぜ子宮内膜がそのような変化をするのでしょうか。
卵子が受精して妊娠すると子宮内膜の中に受精卵が入り込みます。これを着床といいますが、受精卵はそこから栄養物をもらって発育していきます。そのためには子宮内膜は着床しやすい状態にならなければならず、その準備のために周期的に変化するのです。
しかし、受精しなかった場合には、着床は起こらず、この準備は不要になります。受精卵を待ち受ける着床の場を常に新鮮にしておくために、子宮内膜が剥がれ落ちてそのとき出た血液と一緒に排出されているのです。
つまり、次の受精卵を迎えるために周期ごとにリセットすることこそが月経なのです。

わかりましたか?

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