脳脊髄液減少症とその現状 ①



交通事故にあったときの流れを説明していきます。

解りやすい説明をさせていただきます。実際、保険などの専門知識が必要なものは素人にはわかりにくいものです。これらの動画を見ておけば、ある程度の知識が備わります。

別の動画で、むち打ち症(外傷性頸椎捻挫)にもいくつかのタイプがあることを記載しましたが、そのうちの一つに、交通事故やスポーツ外傷が原因でむち打ち症となり、その後遺症で苦しんでいる患者さんの中に「脳脊髄液減少症」という病気があることが解ってきました。

人間の脳や脊髄は、無色透明な「脳脊髄液」で満たされていて、主に脳や脊髄を衝撃から守るクッションの役割を果たしています。この脳脊髄液が、交通事故やスポーツ外傷などの外力によって脳内に強い外力がかかると、脳脊髄液腔から漏れてしまうことがあります。脳脊髄液は脳と脊髄の周りを一日に三回循環しますが、前記のような原因で、その髄液が減少すると、髄液の量が減少した分、髄液圧が下がります。それによって、脳や脊髄から伸びる神経に影響を及ぼし、その結果、頭痛、頸部痛、目眩、吐き気、倦怠感、腰痛、記憶障害、頸部関節痛、胃腸障害、頻尿、脱水症状などに襲われて、日常生活や就労、学業などに支障をきたし、就労不能や不登校になることもあります。

しかし、この脳脊髄液減少症は、MRIなどで様々な検査を行なっても異常を認める事ができないことが多いため、残念ながら医療の現場でも、まだ認識が低いのが現状で、患者さんが症状を訴えても、うつ病などの精神障害、起立性調節障害、自律神経失調症などと診断されてしまうことがあります。ましてや、一般の方々の認知度はもっと低いため、患者さんが症状を訴えても、周囲からは「だらしがない」「怠けている」「仮病だ」などと思われてしまうことが多く、このことが患者さんを更に苦しめる要因ともなっています。そうした周囲に理解されない患者さんの苦痛は、体調不良に加えて、精神面でも落ち込んでしまい、日常生活を意欲的に生きる力が失せてしまうばかりか、中には人生に絶望する人もいます。

こうした周囲の理解の無さに加えて、脳脊髄液減少症の患者さんを苦しめている別の要因として、保険の問題があります。通常、私たちが病気になった時、「診断報酬制度」、つまり保険適応になるかどうか、という事は、かなり大きな意味合いをもちますが、国民健康保険や共済組合、会社で加盟する健康保険である社会保険(強制保険)に加入しているだけで、万が一、病気になっても、治療費の多くは、国が負担してくれるからです。そして、この診療報酬制度に登録されている病気とは、事実上、「国が認めている病気」ということになり、生命保険、その他損害保険、労災、交通事故に遭った場合の自賠責保険にいたるまで、その影響を受けています。

参照文献:
「むち打ち症を治すための8つの鍵」柳澤正和(一般社団法人 むち打ち治療協会 代表理事) 著

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