【不妊カウンセリング】高齢ならではのお悩み



さて、今日は近年とみに増加中の高齢不妊の方々のお悩みに
焦点を当ててみたいと思います。

当院で不妊治療を受けるゲストの方は、30代半ばから40代半ばの方が最も多い層ですが、中にはアラフィフの方もおいでです。
マッサージをしてて、ゲストの方各々の身体(からだ)の状態は実年齢が全てではないのを痛感しています。

【卵子の老化】の情報が広まり、多くの方が危機感を抱いていらっしゃいます。
「もっと若いときから教えてほしかった」という切実な声をよく伺います。

学校では【女性の身体のしくみ】よりも【避妊】に力を入れた性教育だったそうですが、
せめて学校教育でも「28歳前後で女性ホルモンの分泌はピークを迎え、35歳を過ぎるとジェットコースターを下るように減少していく。」という、極めて当たり前の常識を教えて欲しかったと思います。

幼い頃から男子と同等に受験して高等教育を受け、就職活動を経て、
男女雇用均等法の下、体力のある男性でも大変な仕事をこなして、
ストレスをいっぱい抱えながらキャリアを積んできた女性たち。

女性の婚姻年齢は上がり続け、それに伴い第一子の出産年齢も高くなっています。
初産年齢はもう30歳を越えているのですから、かつてのマル高年齢です。
なかには結婚後も仕事優先で、子どもを持つことが先送りされるケースも少なくないでしょう。
教育が不十分なため、女性自身が「生理があればいつでも子どもは産める」と考えていることが多いからです。
マスコミも煽りますから。

けれども、女性の妊孕性(にんようせい)は35歳を超えるとガタッと落ちてしまいます。

後悔しても年齢をさかのぼることはできないので、
“今、これからできること”を考えていかないといけないのですね。

また、高齢妊娠・出産につきまとうリスクについても
しっかり勉強する必要があります。

医療の発展で、高度生殖医療(ART)を受ければ
妊娠する”可能性”はどんどん上がっていますが、
本来の目的は妊娠することだけではありませんから。
赤ちゃんを産んで、育てる将来像が忘れられがちなのです。

ただ、ARTに挑戦する過程で、高齢のために
何度も失敗を繰り返していると、とにかく【妊娠】が
第一目標になってしまいがちです。

ここが危険なところではないかと思っています。

もともと、子どもを産み育て、明るい家庭をつくりたい
という夢があったと思うのです。

それが、なぜか【陽性反応】を目指す!
そのために【採卵】を繰り返して【胚盤胞】を! という流れに変わってきてしまうのです。

確かに1つずつステップを上がっていかないといけないのですが、
やっと【妊娠】までこぎつけたとき、「その先を考えてなかった」
という方が出てくるのです。



治療も何年か越しですので、年齢も相当上がっており、
「この歳で無事出産できるのだろうか?」
「これから子育てしていけるのだろうか?」
と、非常に不安になってしまわれる方がいらっしゃいます。

高齢妊娠の場合、妊娠高血圧やその他疾患のリスクや
流産や早産のリスクも大幅に高まっています。
いわゆる【ハイリスク】妊婦になります。

ご自身の体力的な衰えを実感されることや、
両親も年齢的に孫の世話はきつくなって頼れないこともあります。
なかには老人介護と子育て、そして自分自身の更年期も重なり、
かなり厳しい条件となることも考えられるのです。

そして、次の段階は出生前診断です。
この検査は高齢であれば受診できることになっています。
が、「検査をするのを止めた方が良い」という専門医も少なくありません。
例えば、石田純一、東尾理子夫妻の長男は検査で「ダウン症」と診断されましたが、産まれたら元気な普通の赤ちゃんでした。現在では元気に小学校に通っています。

別に高齢でなくても障害を持って産まれてくる赤ちゃんもいます。それはそれで可愛い赤ちゃんに違いないのではないでしょうか。
出生前診断が「命の選択」の手段になってしまうことは絶対に避けたいです。

それよりも、赤ちゃんを育むお母さんの身体(からだ)を整えて、元気な赤ちゃんを産めるよう準備してください。

そもそも、社会人として経験を重ねたカップルであれば、
人格的にも経済的にも余裕があり、それが子育てに吉となることも
少なくありません。
そして、高齢の両親をもつ子どもは言語の発達がよく、
怪我などのために入院することが少ないというデータもあります。
両親に頼ることはできなくても、これまで培ってきた人間関係で
周囲に子育てを手伝ってもらえるというメリットもあるようです。
ママ友ができず孤立しがちになるのでは? という不安もありますが、
高齢出産が増えているため、幼稚園や学校でも
意外と同世代のママがいて安心した、という声も聞きます。

また、悩み抜いた末にやっぱり子どもがほしいという結論に達し、
治療の甲斐あって授かったときの喜びは何ものにも替えられません。
通常、加齢とともに気力や体力を失ってきたりしがちですが、
「この子のため」に生きる力も湧いてくるというものです。

子どもは「授かる」ものです。
自分の理想通りに「作る」ものではありませんね。
どんな子が来てくれるかわかりませんが、
ご夫婦を選んで舞い降りてきてくれる赤ちゃんに、
たっぷりの愛情を注いで育んでいただけたらと願っています。

そんな情熱あふれるご夫婦をこれからも支援していきたいです。

あなたの妊活を応援します!

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