夏の味覚-冬瓜



冬瓜(とうがん)はウリ科のつる性一年草。東南アジア原産です。
なっているところをご覧になったことはありますか?
巨大な果実がたくさん棚からぶらさがり、ひょうたんのようですが、
もっとインパクトがあります。
なにしろ、実は50~80cmほどにもなります。

夏の食べ物なのになぜ”冬”瓜? というと、冬まで保存できるからなんですね。
トウガンの皮はすごく丈夫で、中にたっぷり含まれる水分が逃げにくいため、
長期保存が可能なんです。
本来は暑い時期が旬の夏野菜です。
成分のほとんどが水分で、味という味も特にありません。
他の味を含ませる料理法が主ですね。
主張しない味ですが、やわらかい食感といい、透明感ある上品な見た目といい、
人気の食材です。
日本では平安時代から栽培されてきましたよ。

また、種は漢方薬としても利用されてきました。
利尿や消炎の効果があります。
実のほうも、身体を冷やし、熱をさます働きがあるので、まさに、
夏向きなんですよね。

冬瓜の栄養成分ですが、なにしろ95%以上が水分です。
そのためにむくみをとったり、熱を下げる効果が大きいのですね。
ミネラルとしては、ビタミンCが多いくらいでしょうか。トマトの2倍です。
むくみに効くカリウム、整腸作用・便秘防止効果の食物繊維も豊富です。
あと、葉酸もあるんですよ~!

ほとんどが水分ですからもちろん低カロリー。
100グラムでたったの16kcalです。
新陳代謝を促し、糖類から脂肪に転化するのを防ぐ成分も含まれているため、
ダイエット食品としても効果が期待できます。

でも、必ずたんぱく質を多く含む食材と合わせてくださいね。
冬瓜だけ食べてても栄養失調になってしまいます・・・(^_^;)

淡白な冬瓜を美味しくいただくためには、
ダシをしっかり煮ふくめるのがポイントです。
強火だと煮崩れてしまうので、弱火でゆっくり煮込みましょう。

よくある組み合わせは、鶏やエビのミンチと一緒に煮るか、そぼろあんをかけるもの。
ホタテもいいですね。
カニなど使えばご馳走になっちゃいますね!
どれもショウガをたっぷり入れた出し汁ごといただきます。
薄口しょうゆを使った和風だしがお上品です。
枝豆などを添えるととっても清涼感があっていいですねぇ!

コッテリした具材や味とも相性はよく、豚肉と煮たり、手羽先と中華風にするのも
けっこうおいしいです。
原産地といわれるインドではカレーの具になるほどですからね。

他にはスープやお吸い物などの汁物や、蒸し物など。炒め物にもできますよ。
さまざまな料理に幅広く使えます。

私はあんかけやスープが好きですね。
春雨も一緒に入れたアツアツのスープをふぅふぅ飲めば、汗も尿もたっぷり出て、まさに爽快です。



それでは、漢方的に見ていきましょう。

中国では古来より薬として利用されてきた歴史があります。
漢方の古典『神農本草経』にも白瓜子として、その種が載っています。
継続して使用すると、身が軽くなり、若がえる、と書かれています!

性質は寒、降作用があります。
臓腑では、肺、大腸、小腸、膀胱に入ります。
味は甘、淡です。

東洋医学的な効能としては、
清熱利水消腫、つまり体内の余分な熱をおさめ、利尿し、むくみを取ります。

体質的には、寒性で気を降ろす作用が強いため、気が昇りやすい方、
高血圧の方に最適です。
寒性ということは、冷え症の方は控えましょう。
また、利尿作用が強いため、陰虚体質の方にも余りお勧めはできません。
水肥りタイプの方向きですね。

妊婦さんは、冷えやすいプラス気を降ろすことから、避けたほうがよいでしょう。

とくに皮の部分は利尿効果が高いので、普段なら捨ててしまう部分ですが、
むくみが気になる方、水分代謝が悪いと感じておられる方は役立ててくださいね。

皮の料理法としては、きんぴらが簡単でおいしい食べ方です。
身体を冷やすので、唐辛子を入れると味にもメリハリがつきますし、
冷えすぎを予防してくれますのでいいですね。

実やわたを料理するときも、ショウガを入れるのがおすすめです。
唐辛子と同様に、冷え症の方は、ぜひ身体を温めるショウガをプラスしてください。
そうやってバランスを取るのが漢方的にもよいのです。

民間療法ですが、尿が出にくいときに冬瓜の絞り汁(生)を飲むといいです。
ちょっと飲みにくい場合ははちみつを入れてもいいです。
発熱や食あたり、暑気あたりにも効きますよ。

トウガンの選び方ですが、表面の白い粉が全体に吹いているものは完熟している証拠。
しわが無く、ずっしり重いものを選びましょう。
だいたいカットされたものを買ってくると思いますが、残った場合はラップして
冷蔵庫に保存しましょう。
丸のままであれば、風通しのよい冷暗所に保管すれば3ヶ月はもちますよ。

まだまだ暑い日が続く9月。
身体に熱がこもって困るな、という方はぜひ食べてみてくださいね。
冬場に食べる場合は、動物性たんぱく質やショウガをもっとタップリ合わせて
調理してください。
風邪の予防になりますね。

あなたの妊活を応援します!

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