妊娠がわかったら、お腹の赤ちゃんのためにすべきこと

■お産までに知っておきたい、備えておきたいこと

 妊娠が分かった女性は、そのうれしさを感じながら「赤ちゃんのために、安産のために、いいことを始めたいけど、何をすればいい?」と思うことでしょう。どんなことが赤ちゃんの成長にとって大切かを知って、妊娠の初期から始めることができればいいですよね。出産に対する不安の解消にもつながることと思います。妊娠中の食事や睡眠、運動を中心に、生活の中で習慣にしたいことをご紹介します。

■ポイントは栄養、休養、運動の3つ

 お腹に赤ちゃんが宿っていると分かった日から、赤ちゃんのために何ができるのかしらと思いをめぐらせているあなた。街やお店で「妊婦さんにおすすめ!」というものを発見したら、飛びつきたくなりますよね。妊娠中のおすすめグッズはいろいろありそうですが、まずは生活をどう整えたらいいのかを考えましょう。そうすれば、自分に何が必要か分かってくると思います。

 赤ちゃんが元気に成長するため、妊娠生活を順調に過ごすため、出産当日ができるだけ安産であるために必要なこと、それはバランスの良い「栄養」、充分な「休養」、適度な「運動」の3つです。ではどんなことから始めたらいいか見ていきましょう。

■体にやさしい和食メニューがおすすめ

 妊娠中の食事は、安心・安全な食材を使った和食メニューがおすすめです。食材はなるべく旬のものがよいですね。有機野菜や無農薬に過度にこだわるあまり適度な外食もままならないのはストレスになりますが、どんな風に育てられたか分かる国内産の野菜や肉・魚であればベターでしょう。

 和食がおすすめの理由は、洋食が動物性脂肪や油分が多くなりがちで体に負担がかかることもあるからです。洋食メニューにデザートはケーキ、という食生活だと、体重が増加しすぎてしまうリスクもありますし、産後は乳腺が詰まって母乳が出にくくなることもあります。野菜たっぷりの和食メニューは、一般にも「体にやさしいメニュー」と言われていますよね。

■積極的に摂りたい栄養素は、たんぱく質、鉄分・葉酸

 積極的に摂りたい栄養素は、たんぱく質、鉄分、葉酸、カルシウムなどです。たんぱく質は赤ちゃんの体や内臓を作ります。鉄分は妊娠中に不足しがちですから、妊娠後期に貧血にならないようにしっかり摂ります。葉酸は妊娠12週ごろまでに赤ちゃんの大切な臓器が作られるために大切な栄養素。母子手帳にも「葉酸の必要性」が載っています。カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯を作り心臓の鼓動を保つなどの大切な働きがあります。

 塩分を摂りすぎないこと、水銀含有度の高いマグロなどの大型魚は摂取量に注意しましょう。

■幸せな気持ちで過ごせるようにリラックス

 休養面では、早寝早起きを心がけて、睡眠時間をしっかり取ることが大切です。仕事を続けながら妊娠初期から中期を過ごす方も多いと思いますが、妊娠したから仕事ができなくなったと思われたくなくて、余計に力を入れて頑張ってしまう方もいらっしゃいます。確かに、妊娠も出産も病気ではありませんが、いつもと同じではない「非日常」です。特に妊娠初期は心配事も多く、つわりが強い人もいますし、ストレスが過剰になりがち。疲れを感じたら「赤ちゃんから休んでというサインが出ている」と思って、なるべくゆったりしてください。

 ゆったりする、リラックスする、ということを体得することが大切。赤ちゃんへの良い影響にもなりますし、お産当日も体をゆるめていた方が安産になりやすいのです。

■運動は妊娠16~20週を過ぎてから無理なく始める

 妊婦体操やヨガなどの運動は、妊娠16~20週を過ぎてから始めるのが一般的です。それまでは赤ちゃんも小さいですし、つわりがあって思うように動けないという人も多いでしょう。不安定な時期は無理に動かないようにしましょう。よく主治医に「安静に」と言われて、運動量がわからないという質問を多く受けます。主治医にどの程度の安静かを質問して安心しましょう。

 体調が良くなったら、無理のない範囲でウォーキングなどを始めるといいですね。それまで運動をしていなかった人が、急にマタニティビクスをすることがいいとは限りません。徐々に体力をつけていきましょう。

 安産につなげるためには、骨盤の仙骨関節や股関節をやわらかくする運動や筋力を高める運動をすると良いでしょう。マタニティヨガや妊婦体操にこうした効果を狙ったものがあると思います。

 「私は痩せているから運動は必要ない」ということはありません。妊娠中の運動は体をゆるめたり持久力をつけたり、深い呼吸ができるようになったりするためであって、肥満防止のためではありません。

■体を冷やさない生活を心がけて

 生活全般では、体を冷やさない心がけが大切です。妊娠中はホルモンの関係で体温は高い傾向にあります。ところが、上半身はポカポカでも、下半身が冷えていることも多いものです。またホルモンのバランスの崩れ、自律神経の乱れで体が冷えてしまう方もいます。

 妊娠中に体が冷えると、つわりがひどくなる、おなかが張りやすくなる、足のむくみがひどくなる、また産後の母乳の出が悪くなることもありますので気をつけましょう。もちろん、安産のためにも冷えない体がづくりが大切です。

 最後に、赤ちゃんのために胎教をした方がいい? クラッシックは必須? というご質問もよくあります。クラッシックを聞かなくては、と気があせるよりも、自分が好きな音楽でいいと思いますし、お腹の赤ちゃんにリラックスして話しかけててあげることの方が大切ですよ。

【妊娠の基礎知識ガイド:大葉 ナナコ】

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