【男性不妊】でよく使われる漢方薬ってどんな薬?3(八味地黄丸1)

4月も半ばになりましたが、今年は寒い日が続いていた事もあって、まだ桜が完全には散っていません。前回のメルマガではまだ完全に咲いていないと書いていたと思いますが、改めて「花の命は短い」とつくづく感じさせられます。

さて、随分春らしい気候になってきました。
日中の日差しが心地よい陽気です。

ちなみに、
東洋医学的に日光浴は身体の陽気を助けるのにとても良いんですよ。
陽虚体質で身体が冷えやすかったり、疲れやすかったりという方には
日光浴は簡単にできる養生法でもあります。

また、起きがけに朝日を浴びると体内時計がリセットされて
なんとなく身体が重だる~いような不定愁訴の改善や
その日を元気に気持ちよく過ごせるようになることも期待できます。

季節的にもどんどん陽気が高くなってくる時期ですし
日光浴、おすすめですよ(^^)

ということで、今回のメルマガも、前回までに引き続き、
男性不妊でよく使われる漢方薬をご紹介させていただこうと思います。

前回までは、【補中益気湯】について、漢方薬の働き、
含まれる生薬の働き、
なぜ、男性不妊に良いのか
などなどについてご紹介させていただきました。

さて、今回ご紹介するのは
これも定番中の定番ですね。
【八味地黄丸】
です。

【八味丸】や【八味腎気丸】という昔ながらの名前で呼ぶこともあります。

その効能は
疲労、倦怠感著しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの次の諸症
腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧、
と書かれています。

一見、男性不妊と関係のある症状は陰萎ですね。
陰萎というのは、勃起障害、勃起不全のことです。

とはいえ、【八味地黄丸】は
勃起不全の方だけでなく、もっと幅広く男性不妊の方に
処方されているように感じます。

また、男性に限らず女性もクリニックから【八味地黄丸】を処方して
もらっていることも少なくありません。

これはどういうことなのでしょうか?

もちろん、【八味地黄丸】を飲むことで色々な効果があったから
ということでしょうが
理由は、東洋医学的にこの説明を読み解くと
分かりやすいです。

まず、”疲労、倦怠感著しく”というのは
東洋医学的には腎虚や気虚の症状です。

つまり、腎臓が弱っていたり、元気が弱くなっている状態です。
(ここでいう腎臓は東洋医学的な考え方によるものですので
現代医学的に腎臓の疾患があるというわけではありません)

東洋医学では
腎臓が生命力や生殖力を担当していると考えます。

つまり、腎臓の弱りは
精子力の低下にもつながり、男性不妊の原因になり得ます。

また、元気は、原気という言葉に置き換えることができるのですが
平たくいうと、エネルギー、生命力の源です。

元気が弱くなると、精子力も低下してしまいやすいのです。

また、”手足に交互的に冷感と熱感”というのも
腎虚の症状ですし、
坐骨神経痛や腰痛、脚気なども
腎臓の弱りからくることが少なくありません。

東洋医学的に腎臓は腰下肢(腰から下半身)も担当していますので
腰痛や足腰の痛み、冷え、むくみといった症状も
腎臓の弱りからくることがあるのです。

その他にも、”尿利減少や頻数”などの尿、膀胱と関係する
症状もありますが、
東洋医学的に、膀胱と腎臓は表裏の関係があります。

ですので、腎臓の弱りから膀胱の症状が出るということも
あります。(もちろんその逆も)

いかがですか?

症状などを東洋医学的に読み解いてみると
実は、ほとんどが腎臓と関係しているということが
お分かりになったかと思います。

東洋医学的に腎臓は生命力、生殖力を担当している
というのは、男性も女性も同じです。

ですから、女性にも【八味地黄丸】はオーソドックスな
漢方薬の一つとして用いられているんですね。
(処方している医師や薬剤師の先生方の思惑までは読み解けませんが)

ということで、
今回は【八味地黄丸】について紹介させていただきました。

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