追悼 ジョージ・マーティン

 「ザ・ビートルズ」の作品の多くをプロデュースしたことから「5人目のビートルズ」と呼ばれた英音楽プロデューサーのジョージ・マーティンが2016年2月9日、90歳で亡くなった。

ロンドンのハイベリー生まれ。ギルドホール音楽演劇学校でクラシック音楽の基礎を学びながら、オーボエ奏者として活動した後、1950年にアビー・ロード・スタジオへアルバイトとして入社、数々のレコーディングに関わる。1955年に傘下レーベルの一つであったパーロフォンのマネージャーとなり、コメディ俳優のピーター・セラーズらの作品など、コメディ色の強いレコードの制作を多く手がけ実績を積んだ。この頃の逸話として、『戦場にかける橋』のパロディ作品を作った際、収録曲の「クワイ河のマーチ」について会社上層部からのクレームを受け、既に録音し終えていた曲中の「クワイ(Kwai)」というフレーズから「K」の部分だけ削除して「ワイ河のマーチ」に作り直したというエピソードがある。

1962年にビートルズを見出したことによりプロデューサーとして大成功を収め、1965年にはEMIから独立した(ビートルズのプロデュースは継続する)。その後もジェフ・ベック、アメリカ、チープ・トリック、ポール・マッカートニーなどのプロデュースを手がける。1997年、ダイアナ妃を追悼したエルトン・ジョンの「キャンドル・イン・ザ・ウィンド97」が、マーティンにとってはイギリスにおける30曲目のチャート1位作品となった。

1998年、ビートルズのトリビュート盤『イン・マイ・ライフ』を息子のジャイルズと共にプロデュースし、自分の名義で発表。ジェフ・ベック、セリーヌ・ディオン、ヴァネッサ・メイ、BONNIE PINK、フィル・コリンズらが参加した。このアルバムを最後に、プロデューサー・エンジニアを引退。その後は公演会でのパネル活動を主軸にする。

 元ビートルズのリンゴ・スターはツイッターで「ジョージ・マーティンに神のご加護を。あなたの愛に感謝します」などと追悼。

 同じく、元ビートルズの故ジョン・レノンの息子、ショーン・レノン(40)もツイッターで「言葉がありません。安らかに眠ってください」などと追悼メッセージを送った。

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