秋の味覚-たこ



今日は蛸(たこ)を取り上げます。
たこは海洋性の軟体動物で、足が8本あります。
普通”足”と言われていますが、実は”触手”、腕なんですね。
英語でも”arm”と言いますよ。
無脊椎動物で、とても強力な筋肉を持っています。
身体の色を変えることができ、危険を感じると墨を吐いて行方をくらます、忍者のような生き物です。
襲われたら、トカゲのように、足を切り離して逃げることもできます。
でも大丈夫。また足は生えてきます。

海外では余り食用とされていないようですが、ギリシャなどの沿岸地方では食べられています。
海に囲まれる日本ではお馴染みの海鮮ですね。
歴史的にも弥生時代の遺跡から蛸壺が出土されているくらいで、貴重なたんぱく源だったかと思います。
今でも世界のたこの消費量の約六割を日本が占めるそうです。
日本人のたこ好きは凄いですね。
特に関西での消費量はダントツ。これはたこ焼き効果かもしれません。
多くはアフリカやモロッコから輸入されていますが、日本近海では、マダコ、ミズダコ、テナガダコ、イイダコなど60種類以上が水揚げされています。
一年中獲れますが、初秋から冬にかけてが一番おいしい時期です。
低カロリーで高タンパクな食材ですので、ぜひ食べてくださいね!

アミノ酸のなかでもとくにタウリンの含有量が多いのです。
タウリンは血中コレステロール値を下げ、高血圧や動脈硬化の予防になります。
肝臓の働きを助け、解毒作用を強化します。
そして、疲労回復や視力低下の予防などにも効果がありますよ。
また、ベタインという成分も糖の吸収を抑え、血中コレステロール値を下げ、これもまた糖尿病やその他生活習慣病の予防に役立ちます。
内臓にはビタミン、ミネラルが豊富ですので、内臓ごと食べられるイイダコはとっても栄養豊富です。

ビタミンB2やナイアシンが多いので、胃腸の働きを高めて代謝をよくしてくれます。ナイアシンというのはニコチン酸とニコチン酸アミドの総称なので、神経を安定させる働きもあります。
ビタミンEは血行をよくし、冷え症の改善に役立ちます。
また、亜鉛は有害な物質を排出する作用がありますし、不足すると味覚異常などが起こりますので、欠かすことができないミネラルですよ。
そして、男性にとっては性機能ととても深い関わりがあり、欠乏すると不妊症になりますので、積極的に摂取していただきたいですね。



では、漢方的に見ていきましょう。
性質は、寒性、収作用があります。
臓腑では肝、脾に入り、五味は鹹(カン)で「塩からい」です。
東洋医学的な効能としては、養血益気、身体の気血を補います。
疲労回復にいいですね。
また、産後の弱りを助けて乳の出をよくする働きもあります。
(乳房が腫れて痛い場合は向きませんのでご注意ください)

体質としては、寒性ですので、冷え症の方にはよろしくありません。
ただし、ショウガと一緒に食べるといいですよ。
食べ過ぎると消化に悪いですから、胃腸が弱い方は控えめに。
生活習慣病が気になる方にはおすすめです。

タコは加熱すると堅くなってしまいますね。
大根おろしを入れた湯で茹でるとやわらかくなりますよ。
火を止めてからそのまま冷ますといいそうです。
薄くスライスしておろしショウガと一緒にお刺身感覚でいただくと、
やわらかくてとってもおいしいです。
煮付けにするときは大根とショウガをたっぷり入れて煮るといいですね。
ご飯が進みますよ!

ところでタコもイカも墨を持っていますが、イカスミはパスタやパンなどに利用されていますよね。
でもタコスミは?
実はタコの墨には天敵を麻痺される成分が入っているので、そのままでは料理には使えないんですよ。ご存知でしたか?

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